『首無の如き祟るもの』三津田信三(著)
2010年12月30日 読書三津田信三おすすめミステリー小説、お奨めの三津田信三のミステリー小説。三津田信三の名作ミステリーの面白い作品。
おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『首無の如き祟(たた)るもの』三津田信三(著)だ。
2008年「このミステリーがすごい」第5位。
奥多摩の山村、媛首村。
淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。
三つに分かれた旧家、秘守一族、その一守家の双児の十三夜参りの日から惨劇は始まった。
戦中戦後に跨る首無し殺人の謎。
驚愕のどんでん返し。
本格ミステリとホラーの魅力が鮮やかに迫る。
「刀城言耶」シリーズ傑作長編。
ミステリではお馴染みの〈顔の無い屍体>トリックの巧緻なアレンジが秀逸な本作。
跡取りとなる男子を祟りから護るため、その姉妹を身代わりにするという、男尊女卑的な因習に支配された旧家を背景に、次々と首なし殺人事件が起こります。
跡取りの周囲には、不審な死を遂げた二卵性双生児の妹や、その事件の後に行方不明となった娘の使用人、そして、跡取りと交流のあった男装の推理作家など、思わせぶりな属性を持つ人々が配されており、作者は、それらの登場人物を操作し、幾重にもトリックを掛け合わすことで、過去に多くの作例がある〈顔の無い屍体〉テーマに画期的なアプローチを行うだけでなく、真相を導き出す、スマートな手筋の構築まで実現しています。
数多くの不可解な事項(本の分量も残すところあと少しなのに、まだ37項目も!!)、それが「たった一つのある事実」に気付くことによって鮮やかに解きほぐされていきます。
さらにその後にも推理は思いがけない方向へと駆け抜けていき、最後には感動すら覚えるほどの着地の仕方。
メインの事件である婚舎の集いに端を発する首無連続殺人事件。
その10年前に起こった十三夜参りの「首無」騒動と不審な死。
それらが事件の当事者である少年の視点と、村の駐在からの二つの視点で描かれ、とても見やすい構成になっています。
結末も凝っています。
精緻な計算の下で書かれた作品で、濃厚な伝奇ホラー風味と本格味が見事に融合した一級品。
横溝正史を彷彿させる名作です。
おすすめミステリー作家のオススメ面白いミステリー、おもしろい傑作お勧めミステリー小説は『首無の如き祟(たた)るもの』三津田信三(著)だ。
2008年「このミステリーがすごい」第5位。
奥多摩の山村、媛首村。
淡首様や首無の化物など、古くから怪異の伝承が色濃き地である。
三つに分かれた旧家、秘守一族、その一守家の双児の十三夜参りの日から惨劇は始まった。
戦中戦後に跨る首無し殺人の謎。
驚愕のどんでん返し。
本格ミステリとホラーの魅力が鮮やかに迫る。
「刀城言耶」シリーズ傑作長編。
ミステリではお馴染みの〈顔の無い屍体>トリックの巧緻なアレンジが秀逸な本作。
跡取りとなる男子を祟りから護るため、その姉妹を身代わりにするという、男尊女卑的な因習に支配された旧家を背景に、次々と首なし殺人事件が起こります。
跡取りの周囲には、不審な死を遂げた二卵性双生児の妹や、その事件の後に行方不明となった娘の使用人、そして、跡取りと交流のあった男装の推理作家など、思わせぶりな属性を持つ人々が配されており、作者は、それらの登場人物を操作し、幾重にもトリックを掛け合わすことで、過去に多くの作例がある〈顔の無い屍体〉テーマに画期的なアプローチを行うだけでなく、真相を導き出す、スマートな手筋の構築まで実現しています。
数多くの不可解な事項(本の分量も残すところあと少しなのに、まだ37項目も!!)、それが「たった一つのある事実」に気付くことによって鮮やかに解きほぐされていきます。
さらにその後にも推理は思いがけない方向へと駆け抜けていき、最後には感動すら覚えるほどの着地の仕方。
メインの事件である婚舎の集いに端を発する首無連続殺人事件。
その10年前に起こった十三夜参りの「首無」騒動と不審な死。
それらが事件の当事者である少年の視点と、村の駐在からの二つの視点で描かれ、とても見やすい構成になっています。
結末も凝っています。
精緻な計算の下で書かれた作品で、濃厚な伝奇ホラー風味と本格味が見事に融合した一級品。
横溝正史を彷彿させる名作です。
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